ロバート・ヤングはカリフォルニアでワイン用ブドウを自社の葡萄畑を持って生産した初代の生産者の一人であり、アレキサンダー・ヴァレーにおいてもっとも早くカベルネソーヴィニヨンを植えた葡萄栽培家です。

1973年から葡萄畑317エーカーのうち、トップ2.5%のブドウのみを自分たちのワイナリーのために確保し、残りの97.5%を他のワイナリーのプレミアワインへと供給されています。供給先はワインスペクテイターTOP100ワインで世界第一位を獲得したこともある名門シャトー・セント・ジーン他、クロ・デュ・ボア、シミなどで、シャトー・セント・ジーンではワイン名にロバート・ヤング・ヴィンヤードと単一畑名を表記しワイナリー白ワイン最高評価を獲得している1本です（1970〜80年代の甘口ワインを除く）。

ロバート・ヤングの葡萄がこれほどまでに他のワイナリーへ供給されるのには理由があります。何故ならロバート・ヤングは何物でも代替の利かない新しいブドウの系統（クローン）を独自に生み出したからです。そのクローンはしっかりとしたアロマにリッチなボディ、しっかりとしたフレーバーなと多くの長所を持ち”ロバート・ヤング・クローン”と呼ばれ多くの葡萄栽培家にまで供給されるようになりました。

ロバート・ヤングはその葡萄を自分だけのものにする事に選ばずにカリフォルニアワイン産業全体を見据え、個人的な利益を取る事をせずに業界全体の利益を取る事を選んだのです。カリフォルニアワイン葡萄生産者協会元会長のボブ・ハーツェルは「ロバート・ヤングはワイン用ブドウ栽培において最も尊敬される紳士の一人です。」と賛辞を送っています。また自身もカリフォルニアワイン葡萄生産者協会の会長を8年間務めてました。

ロバート・ヤングの葡萄の品質の証明を決定づける事があります。

多くの葡萄栽培家がロバート・ヤング・クローンを使用していますが、そこにはキング・オブ・カーネロスと呼ばれる生きる伝説ラリー・ハイドの葡萄畑でも使われているのです。

多くの醸造家、羨望の葡萄畑ハイド・ヴィンヤードは2019年ワインスペクテイタートップ100でシャルドネ世界一となったレイミーのシャルドネもハイド・ヴィンヤードのものですし、2006年に行われたパリテイスティングのリターンマッチでシャルドネ部門ではハイド・ヴィンヤードのワインがレイミーとパッツ＆ホールより出品されています。またコングスガードのナパシャルドネにもハイド・ヴィンヤードの葡萄が使われています。

そのラリー・ハイドへ苗木を提供したのがロバート・ヤングなので、その秀でた葡萄の実力とカリフォルニアワインへの貢献度が読み取れます。2009年に90歳でこの世を去るまでにカリフォルニアワイン業界へ貢献し続け、今なおその葡萄は生き続けています。

そしてロバート・ヤングのワインは元々生産量が多くはないのですが日本国内へも輸入され親しまれていたのですが、ですが残念なことにワイナリーの世代交代と共に日本国内への入荷が終了する事になりました。

ですがここに国内最後のワインが入荷してきました。しかもそのワインはロバート・ヤング・クローンが特別な仕立てで最初に植えられたエリア27と呼ばれる由緒あるブロックのブドウです。

このブロックはザモラシルティ粘土層と呼ばれる土壌で大変水はけがよく、複雑な味わいのブドウが収穫出来ます。毎年生産量は300ケースにも達しない超少量生産品。ワイナリーが誇る最高峰のシャルドネの一つです。

僅か72本の入荷となりますが、輸入元終売価格として在庫一掃価格が実現いたしました。